最近はやりのアーモンドミルクとアーモンドについて
今週のテーマは「アーモンド」
現在第3のミルクとして注目を浴びている「アーモンドミルク」。
そこで、今回は フジメディカル出版から発行されているFunctional Food Vol. 33 No. 1 2018. より機能性としてのアーモンドについて調べてみました。
アーモンドの歴史は意外にも古い
現在のアーモンドは、野生種から先人たちの手によって改良に改良を重ねて作られたものであり、現在「アーモンド」と呼ばれるアーモンド種は100種類以上になるといいます。
紀元前20世紀からアーモンドが食べられていたようだ、とする文献は多いが、確実にアーモンドが食べられていたとわかるのは、紀元前12世紀ころのヘブライ文学にその名が残っているそうです。日本には、江戸時代に持ち込まれたそうですが、庶民が食べ始めたのは明治以降だそうです。
第3のミルク「アーモンドミルク」
注目を浴びるようになった理由の一つに、牛乳や豆乳に比べてアレルギーが少ないことになるようです。乳製品に対するアレルギーは16%、豆乳に対するアレルギーは2%程度あるそうですが、アーモンドに対するアレルギーは1%程とのことです。
また、摂取エネルギーも小さいことからも注目を浴びているようです。
あとは、企業側からすると、加工がしやすいという利点もあるようです。
アーモンドの機能性
研究の中心は、やはり摂取エネルギーが低いことによる、ダイエット効果のようです。
アメリカで行われた研究Nurses' Health Study(これはナッツとしての研究)の結果ですが、ナッツを食べる習慣のある群では、ナッツを食べる習慣がない群と比較すると、BMIが統計的有意に低かったという結果を出したそうです。
この習慣的摂取というのは、週5回以上をさしています。
ナッツ類は基本的に油脂分が高く、アーモンドも、アーモンド油がとれるほど油脂分が高いため、長年、摂取カロリーが高く体重増加に結び付くと考えられていたそうです。そのため、この研究結果には、専門家も驚いたそうです。
この体重の減少に大きく貢献したのが、「便通の改善」と考えられているそうです。
アーモンドには食物繊維が豊富なため、便通が増加することで便通の改善をもたらしたと考えられているようです。アーモンドの食物繊維の量は、ゴボウの1.8倍、サツマイモの4.6倍にのぼるそうです。
日本人は慢性的な食物繊維不足が指摘されていますが、これも1日にアーモンド25個を食べるだけで、1日に推奨される食物繊維量の不足分(3g強)が補えてしまう計算になるそうです。
次に期待されているのが、アーモンドの抗酸化作用です。
アーモンドをはじめとするナッツ類には豊富なポリフェノールとビタミンEが含まれているため、動脈硬化や心臓病などの循環器系疾患への良い効果が期待されています。
ただし、ナッツ類全般で注意して欲しいこととして、
ポリフェノールは薄皮部分に含まれるので、皮むきされたアーモンドなどのナッツ類には、ポリフェノールはほとんど含まれていない
ということです。
その他のアーモンドの効果として、ミネラルが豊富に含まれているという点も、期待されている点です。
アーモンドは塩分は含まず、カリウムが多い。また、カルシウムやマグネシウム、亜鉛、銅、マンガンなどの微量元素も含まれています。
そのため、おつまみとして売られているアーモンドには塩分が入っているため、循環器疾患に対する効果を期待してアーモンドを食べるのであれば、塩分が入っていないアーモンドを選んだ方がよさそうです。
参考資料:
Functional Food Vol. 33 No. 1 2018. p. 12-16. フジメディカル出版
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