糖質制限ダイエットと炭水化物制限ダイエットの違い

今、一番巷を賑わしているダイエット方法といえば、糖質/炭水化物を減らす方法かと思います。

糖質制限と炭水化物制限は大きく意味が異なります

・・・ということをご存知でしょうか?

糖質制限は、文字通りですが、炭水化物=糖質+食物繊維なので、炭水化物の摂取を制限してしまうと、大切な食物繊維の摂取量も一緒に制限してしまうことになります。


糖質も体にとっては大切な三大栄養素の一つ、
ではあるが・・・

三大栄養素とは、脂質・タンパク質・糖質のことで、赤血球など脱核(核がない・ミトコンドリアがない)した細胞にとっては、糖質が唯一のエネルギーであるため、不可欠な栄養素とされています。

・・・が、現在では、脂質とタンパク質は大切だけど、糖質の重要度は低くなっています。その理由として、脂質には体の中で合成できる脂質とできない脂質があるため、絶対に食事から摂取しなければならない脂もあるけれど、糖質に関しては、そもそも体の中で合成できるし、アスリートなど特殊な環境に身を置いている人はともかくも、普通に会社勤めしていて、特に激しい運動をしていない人であれば、必要な糖質量は体の中で十分に合成できる、というのがその理由。


糖尿病 医師・医療スタッフのプラクティス Vol. 34 No. 6. 2017の特集:炭水化物と糖尿病を再考する―糖でみる食事から健康寿命までー1.「炭水化物の至適摂取量」によると、

「炭水化物(糖質)は、その人の基礎代謝に応じて1日100g~150g必要であるが、この量は食事から摂取しなくても肝臓が糖新生で賄うことができる」ということです。


しかし、これはあくまでも成長期を終えた大人を対象としたデータです。


成長期で運動部の子どもに

糖質制限の食事を続けさせるのは妥当か考えて

現在、テレビや雑誌などのメディアで述べられている健康法は、どの層を対象にした情報なのかを考えていますか?

そのほとんどが、ミドル~シニア世代で、成長期はとっくに終わり、運動の習慣があまりなく、生活習慣病などの発症率が高い世代です。そのため、「いかに余剰エネルギーを抑えるか」が焦点になっています。

また、女性に対しては「いかに健康にダイエットするか」を焦点にしており、摂取カロリーと消費カロリーのバランスを重視しているものが多くなっています。


成長期の子どもには、大人と違う栄養が必要

寮生活などをしていない限りは、親が作った食事を子どもは食べて育つため、親の食事に対する考え方に子どもは大きな影響を受けます。

「テレビで、糖質摂りすぎると病気になりやすくなるからと言っていた」からと言って、成長期の子どもにも、成長期を終えて、運動習慣のない大人の都合に合わせて、食事内容決めていませんか?


糖質エネルギーは運動強度が高くなればなるほど

必要になる

以前、放送局は忘れましたが、近年駅伝で飛躍的な成績を残している某大学の監督が、選手に対して大量の糖分の摂取を義務付けている、と話していました。

その理由は、脂質は、最大酸素摂取量の低い、今はやりの、ゆっくりと会話しながら息が上がらない程度のスピードで歩く運動などのエネルギー源になるのに対し、糖質は、箱根マラソンのように、運動強度が高く長く続ける運動になればなるほど必要になるエネルギーだからだそうです。低炭水化物の食事を続けていると、筋肉に必要なグリコーゲンの量が足りなくなるため、運動強度の強く長い運動を続けることができなくなるんだそうです。

運動強度の強い運動部に所属している子どもに、成長と運動に必要な「エネルギー源」が十分に入った内容になっているか、考えて普段の食事やお弁当を作ってあげていますか?

身体活動に似合う「糖質量」は最低限、必要なのです。


糖質制限でアレルギーがよくなる話はあるが

確かに糖質を制限することによって症状の軽減が見られた、という文献はみます。けれど、その多くは、あくまでも「糖質」を制限しているのであって、「炭水化物」を制限しているわけではありません。

同じ原料が果物でも、果物丸ごとだったら、果糖は入っているけど、その他に腸内環境の改善に不可欠な食物繊維や細胞の活性化に重要な働きを担っているビタミンが多く含まれている。でもジュースにしてしまうと、まず食物繊維は除去されているし、ビタミンも酸素に触れているため、まず、十分量は望めない。

お米だって、精製した米と、玄米や発芽玄米・もち麦などでは全く栄養価が異なるし、吸収される糖のスピードだって異なるといわれています。


あくまでも「精製した糖質を多く含む食材」を減らす「糖質制限」が大切であって、やたらめったら「糖質を含んでいるから」という理由で普段の食事から除去してしまうのは、逆に、重要なビタミンやミネラル不足を招いて、違う病気の原因になりかねないのです。


参考資料

糖尿病 医師・医療スタッフのプラクティス Vol. 34 No. 6. 2017 特集:炭水化物と糖尿病を再考する―糖でみる食事から健康寿命までー1.「炭水化物の至適摂取量」津田謹輔.p. 583-590.医歯薬出版株式会社


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